この記事では、ハイスペックノート・ミニPCに搭載されている『AMD Ryzen 9 6900HX』の性能について解説。
『AMD Ryzen 9 6900HX』はCPU性能はもちろん、内蔵GPU「Radeon 680M グラフィックス」もかなり優秀です。
そのため日常作業はもちろん、クリエイティブな作業や軽めのゲームまで幅広い用途に対応できるほどの高性能ですので、【AMD Ryzen 9 6900HX】の性能が知りたい方、ミニPCを購入検討している方に向けて詳しく解説しますので少しでもご参考になれば幸いです。
AMD Ryzen 9 6900HX の性能概要
- CPUコア構成:
8コア/16スレッド 高速なマルチタスク処理により、動画編集や3Dレンダリング、複数のアプリケーション同時実行など、重い作業負荷にも余裕で対応します。 - 動作クロック:
ベースクロックは約 3.3GHz、最大ブースト時には 4.9GHz まで上昇。
シングルコア・マルチコアともに高い処理能力を発揮します。 - プロセス技術:
6nm 製造プロセス より省電力で高効率な動作が可能となり、バッテリー駆動のモバイルデバイスに最適です。 - 内蔵グラフィックス:
Radeon 680M 軽量なタイトルやカジュアルなゲームはもちろん、動画編集などグラフィック処理を必要とする作業でも十分な性能を発揮。専用GPUを搭載しなくても、手軽にゲーミングやビジュアル作業が楽しめます。 - メモリ対応:
DDR5 対応 高速なデータ転送と広帯域により、全体のシステムレスポンスが向上。最新のソフトウェア環境にも余裕で対応できます。
CPU | コア数 | スレッド数 | ベースクロック | ターボクロック | TDP | PassMark (M) | PassMark (S) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
AMD Ryzen 9 6900HX | 8 | 16 | 3.30GHz | 4.90GHz | 45W | 24,000 | 3,000 |
Intel Core i7-12700H | 6 | 12 | 2.30 GHz | 4.70 GHz | 45 W | 22,000 | 2,800 |
AMD Ryzen 7 6800H | 8 | 16 | 3.20 GHz | 4.70 GHz | 45 W | 21,500 | 2,750 |
Intel Core i5-12600H | 6 | 12 | 2.70 GHz | 4.50 GHz | 45 W | 20,000 | 2,600 |
AMD Ryzen 5 6600H | 6 | 12 | 3.30 GHz | 4.50 GHz | 45 W | 19,000 | 2,500 |
Intel Core i5-12500H | 4 | 8 | 2.50 GHz | 4.40 GHz | 45 W | 18,500 | 2,400 |
AMD Ryzen 5 5600H | 6 | 12 | 3.30 GHz | 4.20 GHz | 45 W | 17,500 | 2,300 |
おすすめポイント
- 卓越したマルチスレッド性能:
8コア16スレッドの構成により、複数の高負荷作業を同時にこなせるため、動画編集や3Dレンダリングといったクリエイティブ用途に最適です。 - 内蔵GPUの実力:
Radeon 680M は、eスポーツタイトル(Valorant や League of Legends など)や Minecraft、GTA V 等の軽量~中程度のゲームタイトルを快適に動作させられるため、外部GPUがなくても十分なゲーム体験を提供してくれます。 - 省電力・高効率設計:
6nmプロセスの恩恵で、従来のモバイルCPUに比べ消費電力を抑えながらも高いパフォーマンスを実現。バッテリー駆動のノートPCや小型デバイスでの使用に大きなメリットがあります。 - 最新メモリ技術との親和性:
DDR5対応により、システム全体のデータ処理速度が向上。これによって、アプリケーション起動の高速化や大容量ファイルの取り扱いに優れた性能を発揮します。
デメリット
- 発熱の管理が必要:
高い処理性能ゆえに、連続高負荷状態では発熱が顕著となる可能性があります。十分な冷却対策(ヒートシンクや高性能ファンの搭載)が不可欠です。 - AAAタイトルでの限界:
内蔵GPUは非常に優秀ですが、最新のハイエンドAAAゲームを高設定でプレイする場合、専用の外部グラフィックスカードに比べるとパフォーマンス面で劣る可能性があります。
口コミ・ユーザーの声
実際にAMD Ryzen 9 6900HX 搭載のノートPCやミニPCを使用しているユーザーからは、以下のような評価が寄せられています。(主にAmazonのレビュー、ネット上の反応です)
- 「クリエイティブ作業やマルチタスク処理が非常にスムーズで、生産性が向上した」
- 「内蔵の Radeon 680M が予想以上のゲーム性能を発揮し、普段のカジュアルゲーミングには十分」
- 「高負荷時の発熱が気になるので、冷却設計の優れたモデルを選ぶことが重要」
AMD Ryzen 9 6900HXの性能
CPU | シングルスコア | マルチスコア |
インテル Core i9-10900X | 1175 | 10814 |
AMD Ryzen 9-6900HX | 1617 | 10331 |
AMD Ryzen 7-3800XT | 1351 | 9169 |
AMD Ryzen 9 6900HXは、IntelのハイエンドモバイルCPUであるCore i9-12900Hと同程度の高負荷タスクに対応できるモデルとして広く比較されています。
Core i9-12900Hは、パフォーマンスコアと効率コアを組み合わせたハイブリッド設計が特徴で、たとえば6つの高性能コアと8つの効率コアを合わせた構成により、合計14コアや20スレッドといった多くの並列処理能力を実現しています。
さらに、ブーストクロックは5GHz以上に達する場合もあり、シングルコア性能の面では特に高い応答性が求められるアプリケーションで優位な場合があります。
そのため、高負荷な動画編集や3Dレンダリングといったマルチスレッド処理においては、Core i9-12900Hの方が得意分野であり処理速度が速い傾向にあります。
とはいえ、AMD Ryzen 9 6900HXは、バランスの取れたコストパフォーマンスや省電力性、そして十分なシングルおよびマルチスレッド性能に磨きのかかったCPUのため、日常のクリエイティブな作業やゲーミング、さらには業務用アプリケーションでも十分なパフォーマンスを発揮します。
特にモバイル環境においては、発熱や消費電力の管理が重要となる中、6nmプロセスで製造されるRyzen 9 6900HXは、バッテリー駆動時にも安定した動作が期待できる点では大きな魅力となります。
内臓GPU(Radeon 680M)の性能
- 1080p低~中設定なら、重量級のゲームでも平均30fpsほど出る。
- DDR5対応でメモリの帯域幅が大幅に拡張。
- 非常に優れた電力効率。
- インテルの内臓GPUより高性能。
Radeon 680Mは統合型でありながら、モバイル向けエントリーレベルの専用GPUと比較されることが多いです。
具体的には、以下のような製品と性能が近いと評価されるケースがあります。
- Radeon 680MはGTX 1650 Mobileとほぼ同等のパフォーマンスをもつ。
専用GPUとしては若干のオーバーヘッドがあるものの、680Mは統合型ならではの省エネルギー性やシステムコンパクト性に優れています。 - AMD Radeon RX 6400 Mobile(エントリーモデル) モバイル向けのエントリーレベル専用として、RX 6400 Mobileも680Mと同程度のゲーム性能を持つ。
また、Intelの最新のIris Xe Graphics(特にXe Max)と比較すると、Radeon 680Mは同クラス内では若干上回る性能を持つと評価される場合が多いです。
いずれにしても、680Mは統合GPUながら高い描画能力を発揮し、低~中程度のグラフィック負荷のゲームや映像処理、クリエイティブな作業に十分対応できる設計となっており、専用GPUと比較してもバランスの取れた性能が特徴です。
AMD Ryzen 9 6900HXでプレイ可能なゲームタイトル
ゲームタイトル | タイプ・特徴 |
---|---|
League of Legends | 低負荷で高FPSが出るタイトル |
Fortnite | 中~高設定でも軽快な動作が可能 |
Rocket League | 低設定なら遊べる |
CS:GO | 重いグラフィック処理を必要とせず、高速な動作を実現 |
Minecraft | 設定次第で自由なプレイが楽しめる |
AMD Ryzen 9 6900HXの内臓グラフィックではプレイ不可タイトル
モンハンワイルズ |
Cyberpunk 2077 |
GTA V |
The Witcher 3: Wild Hunt |
Red Dead Redemption 2 |
Assassin’s Creed Valhalla |
Far Cry 6 |
AMD Ryzen 9 6900HXの総合評価
AMD Ryzen 9 6900HX は、最新技術を駆使して高いマルチスレッド性能と省電力性を実現しており、日常のオフィス作業や動画編集、さらにはカジュアルなゲームプレイまで、幅広い用途に柔軟に対応できる非常に実力派のモバイルCPUです。
内蔵 GPU の性能も高く、外部グラフィックスカードを必要としない環境でも十分なゲーム体験を得られるため、軽量なゲーミングやエンターテイメント用途にも好適です。
ただし、連続した高負荷運用による発熱や、最新AAAタイトルを高設定でプレイする場合の限界には留意が必要です。総じて、技術革新と実用性を兼ね備えたプロセッサーとして、多くのユーザーから高い評価を得ています。
おすすめのミニPC
近年、コンパクトながら高性能なミニPCが注目される中、AMD Ryzen 9 6900HX を搭載したモデルは特に人気です。小型の筐体でありながら、デスクトップ並みの性能が魅力です。
- 主な特徴:
- パワフルな処理能力:
Ryzen 9 6900HX による高速なマルチタスク処理やクリエイティブな作業がスムーズに行えます。 - 内蔵グラフィックス性能:
Radeon 680M により、ライトなゲーミングや映像編集、日常的なグラフィック作業も十分にこなせる。 - コンパクト設計:
小型ながら豊富な入出力ポートを備え、オフィス、リビング、またはホームシアターPCとしても活用できる。 - 最新規格メモリ・ストレージ対応:
DDR5メモリや高速NVMe SSD との組み合わせにより、システム全体のレスポンスが高速。
- パワフルな処理能力:
このようなミニPCは、限られたデスクスペースで高い作業効率を求めるユーザーや、場所を選ばずにパワフルなPC環境を求める方に最適です。その他のメーカーからも似た仕様の製品が登場しており、用途や予算に合わせた選択肢が豊富にあります。
MINISFORUM UM690L Slim

OS | Windows 11 Pro |
CPU | AMD Ryzen 9 6900HX 8コア16スレッド、標準3.3GHz、最大4.9GHz |
グラフィックス | AMD Radeon 680M (AMD RDNA2アーキテクチャ採用) |
メモリ | オンボード LPDDR5-6400 32GB |
ストレージ | M.2 PCIe 4.0 SSD 500GB 最大拡張容量:4TB) |
接続性 | Bluetooth 5.3、Wi‑Fi6E、2.5Gbps LAN |
冷却システム | PCM冷却素材搭載のアクティブ冷却システム (パッシブラジエーターに比べ温度を約25%低下) |
ディスプレイ出力 | ・HDMI 2.1 (4K@120Hz/8K@60Hz) ・DisplayPort 1.4 (4K@144Hz) ・USB4 (4K@120Hz/8K@60Hz) |
USB | USB4ポート:最大40Gbps、15W PD給電対応 |
パッケージ内容 | 本体、日本語説明書、HDMIケーブル、電源アダプター、 電源コード、壁掛けマウント、ネジセット |
優れたパフォーマンスで、最新の6nmプロセスを採用し、前世代7nmからの進化を実現。8コア16スレッドによる高い処理性能は、フォートナイト、マインクラフトなどの軽めのゲームやクリエイティブ作業におすすめです。
拡張性と高速ストレージは、オンボードの32GB LPDDR5-6400と超高速PCIe 4.0 SSDにより、OS起動やデータ転送が高速。ストレージは最大4TBまで柔軟にカスタマイズ可能なため、容量不足の心配が解消されます。
Wi‑Fi6E、Bluetooth 5.3搭載、2.5Gbps LANを搭載。ギガビット接続と比較して、読み書き速度が大幅に向上しており、動画視聴やオンラインゲーム、複数デバイスの同時接続に最適です。
効率的な冷却システムのPCM冷却素材やアクティブ冷却設計により、長時間の高負荷動作でも安定した冷却性能を維持。通常のパッシブ冷却と比較して温度が約25%低下するため、安心して使用できます。
多彩なディスプレイ出力が特徴。HDMI、DisplayPort、USB4のトリプルディスプレイ出力により、複数画面での作業やエンターテイメント環境が幅広くサポートされます。USB4ポートは映像と電源を併せ持つため、配線もシンプルに。
Beelink SER6

CPU | AMD Ryzen 9 6900HX 8コア16スレッド、標準3.3GHz、最大4.9GHz |
グラフィックス | AMD Radeon 680M (AMD RDNA2アーキテクチャ採用) |
メモリ | 32GB (16G×2) SO-DIMM DDR5 4800MHz |
ストレージ | 500GB (最大 4 TB ) SSDM.2 2280 PCIe 4.0×4 SSD |
接続性 | Wi‑Fi6E、Bluetooth 5.2、2.5Gbps LAN |
冷却システム | Beelink独自のMSCテクノロジーを使用。 2つのファン設計、ヒートパイプ、ヒートシンク、 ラジエーターがPCから熱を素早く排出する |
ディスプレイ出力 | HDMI、DP、USB4ポートを備え、 3台のモニターの同時接続をサポート |
USB | USB4ポート:最大40Gbps、15W PD給電対応 |
パッケージ内容 | 本体、説明書、HDMIケーブル、 電源アダプター、電源コード、 壁掛けマウント、ネジセット |
- 高速な処理性能で、Web ブラウジング、写真・ビデオ編集、プログラミング、軽いゲーム、さらには遠隔学習など、多様な用途におすすめです。
- 拡張性の高いメモリ・ストレージ構成ですので、初期搭載の 32GB (16GB×2) DDR5 4800MHz RAM に加え、最大 64GB まで拡張可能。
また、500GB の M.2 PCIe 4.0×4 SSD が標準装備され、最大 4TB の SSD に対応しているため、容量不足の心配がなく、ソフトウェアの動作や動画・写真の保存もストレスなくこなせます。 - マルチディスプレイ環境が整うので、HDMI、DisplayPort、USB4 の各ポートによるトリプル 4K 出力に対応。
また、AMD Radeon 680Mにより、4K ビデオ再生や軽めののゲームプレイも可能。 - WiFi 6(最大 2.4Gbps)や Bluetooth 5.2 が装備され、安定した高速通信環境が整っています。これにより、大容量のデータ送受信や高音質オーディオのストリーミングも問題なく行えます。
- 効率的な冷却システムとコンパクト設計 で、Beelink 独自の MSC テクノロジーにより、CPU の過熱やスロットリングを防ぎ、長時間の高負荷作業時でも安定した動作が確保できる。
まとめ
AMD Ryzen 9 6900HX は、先進の6nmプロセス技術と8コア16スレッドの高性能アーキテクチャにより、日常作業、クリエイティブな業務、そしてカジュアルなゲーミングにおいてバランスの取れたパフォーマンスを実現します。内蔵の Radeon 680M により、専用グラフィックスカードなしでも十分なゲーム性能を提供し、DDR5 対応によって未来のニーズにも柔軟に対応できる点は大きな魅力です。
ただし、発熱対策や冷却環境の確保、また高負荷状態での価格面の上昇など、注意すべき点も存在します。ミニPCとしての活用例では、コンパクトながらパワフルな MINISFORUM HX99G などが候補に挙がり、限られたスペースで高いパフォーマンスを求めるユーザーにも非常におすすめです。
今後も進化するモバイルCPU市場の中で、AMD Ryzen 9 6900HX は多彩な用途に応じた信頼性の高い選択肢として、多くのユーザーの期待に応え続けるでしょう。